【印紙税】どのような場合に課税文書を「作成」したといえますか?
印紙税は、「課税文書」を「作成」した場合に課されます(印紙税法第3条)。そして、「作成」とは、単に文書を作ることではなく、これをその文書を作成した目的に従って行使することをいいます(印紙税法基本通達第44条)。文書の種類によって文書を作成した目的は異なるため、「作成」の意義も異なることになります。文書の種類によって「作成」の意義を整理すると次の通りとなります。
文書の種類 |
具体例 |
「作成」の意義 |
相手方に交付する目的で作成される課税文書 |
手形、株券等、預貯金証書、貨物引換証等、保険証券、信用状、配当金領収書、受取書及び契約書のうち念書、請書のように契約当事者の一方が作成するもの |
交付 |
契約当事者の意思の合致を証明する目的で作成される課税文書 |
契約書のうち契約当事者の双方が共同して作成するもの |
証明 |
一定事項の付け込みを証明することを目的として作成される課税文書 |
通帳、判取帳 |
最初の付け込み |
認証を受けることにより効力が生ずることとなる課税文書 |
定款 |
認証 |
第5号文書のうち新設分割計画書 |
分割計画書 |
本店への備え置き |
例えば、相手方に交付する目的で作成される課税文書は、文書そのものを交付することが「作成」に該当するため、これをFAXや電子メールに添付する方法によって相手方に送付したとしても「作成」には該当せず、印紙を貼る必要はありません。
また、「契約書」については、契約当事者の一方が作成するものについては「交付」が作成に該当し、契約当事者双方が共同して作成するものについては「証明」が作成に該当します。このように契約当事者の一方が文書の作成に関与したのか、あるいは双方が文書の作成に関与したのかによって、印紙税法上の「作成」の意義が異なることになります。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則
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