【印紙税】当事者間の合意が少しずつ形成されていくような場合、最終的な契約書だけに印紙を貼れば足りますか?
例えば、建設会社が施主からの依頼を受けて注文住宅の建築を請け負った場合、施主との打ち合わせを繰り返して、最終的な設計図面を作成していくことになります。そして、その過程においては、打ち合わせの都度、あるいは一定のところまで合意できたところで、「確認書」や「中間合意書」といった書面を作成することがあります。施主が事後的に合意した内容を覆すことを防ぐためにこのような文書は作成されていると考えられます。
結論としては、このような最終的な契約書を作成するまでに作成した文書は、いずれも当事者間の合意が記載されている以上、「契約書」に当たり、印紙を貼る必要があります。最終的な契約書だけに印紙を貼ればよいというわけではないため、この点は注意が必要です。なお、当事者間の合意が記載されていれば、それは「契約書」に当たりますので、仮にその文書の表題が「議事録」であっても印紙を貼る必要があるということになります。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則
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