【印紙税】「重要な事項」について教えてください。
ある文書が「契約書」に当たるためには、それが当事者間の意思表示の合致を証明するために作成された文書であることに加え、その文書中に少なくとも1つ以上の「重要な事項」についての記載がされていることが必要になります。
「重要な事項」については、契約書の類型ごとに印紙税法基本通達別表第2「重要な事項一覧表」に定められています。
例えば、請負に関する契約書(第2号文書)の重要な事項は以下の通りです。
(1) 請負の内容(方法を含む。)
(2) 請負の期日又は期限
(3) 契約金額
(4) 取扱数量
(5) 単価
(6) 契約金額の支払方法又は支払期日
(7) 割戻金等の計算方法又は支払方法
(8) 契約期間
(9) 契約に付される停止条件又は解除条件
(10) 債務不履行の場合の損害賠償の方法
このように、請負契約書を作成すれば、通常は上記のうち1つ以上を定めることになりますので、「この文書は当事者間の意思表示の合致を証明するために作成された文書ではあるものの、重要な事項の記載がないため、『契約書』には当たらない」ということは極めて稀といえます。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則
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