鳥飼総合法律事務所

Facebook Twitter

固定資産税還付業務のご案内

 
投稿者
税務部
取扱分野
税務
 

1.多発する固定資産の払い過ぎ

 固定遺産税の基礎となる固定資産評価基準は非常に難解であるため、固定資産税の課税誤りとなる事案が多発しています(例えば、日本経済新聞2016年3月29日朝刊、同2019年12月2日朝刊)。

 

2.固定資産税還付業務の内容

 固定資産の価格が誤って高く評価されている場合、長年にわたって固定資産税の払い過ぎが生じます。

 弊所では、お客様所有の固定資産の価格の評価ミスを特定し、固定資産の価格の修正と、払いすぎた固定資産税相当額の還付を求める業務(以下「固定資産税還付業務」といいます)を行っております。

 固定資産税還付業務は、土地と建物の両方を対象としていますが、信頼と実績のある調査会社の調査に基づき還付請求を行っております。

 

3.固定資産税還付業務の対象

1 建物

 以下の①~④の要件のいずれも満たす建物が対象となります。

 ① 昭和56年以降に建築された建物

 ② 建築時の1棟あたりの建築コストが10億円以上の大規模建物

 ③ 事業用建物(すなわち、マンションを含む住宅用建物は業務の対象外です)

 ④ 竣工図等の図面や建築請負契約書等の書類がある建物

 

2 土地

 以下の①~②の要件のいずれも満たす土地が対象となります。

 ① 事業用建物の土地

 ② 年間の一市町村あたりの土地の固定資産税の支払額が、

   500万円以上の場合の当該市町村内にある土地

 

4.固定資産税還付業務の流れ

1.納税通知書(課税明細書)の写しご提出

 

2.固定資産評価額の簡易判定

 

3.評価算定書の取得

 

4.固定資産評価額の精密判定

 

5.固定資産価格の修正、払いすぎた固定資産税相当額の還付請求

 

5.報酬体系

 固定資産価格の修正、払いすぎた固定資産税相当額の還付及び軽減に成功した場合に限って報酬をお支払いいただきます。

 

6.固定資産税Q&A

Q.土地と家屋の固定資産税の課税ミスは、どの程度、起きているのでしょうか?

A.総務省の平成24年8月28日付「固定資産税及び都市計画税に係る税額修正の状況調査結果」では、調査回答に応じた自治体(1,592市町村)のうち97%の自治体において、何らかの課税誤りがあったと報告されています(https://www.soumu.go.jp/main_content/000173655.pdf)。しかも、増額修正と減額修正とでは、減額修正、すなわち、納税者が固定資産税を払いすぎていた件数のほうが多かったとされています。このように、「まさか自治体が課税誤りをするはずがない」と言い切ることはできないのが実情です。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.土地と家屋の課税誤りの要因は何でしょうか?

A.総務省の平成24年8月28日付「固定資産税及び都市計画税に係る税額修正の状況調査結果」では、土地と家屋の固定資産税の課税誤りの要因として次のような項目が挙げられています(https://www.soumu.go.jp/main_content/000173655.pdf)。

①課税・非課税認定の修正

②新増築家屋の未反映

③家屋滅失の未反映

④現況地目の修正

⑤課税地積・床面積の修正

⑥評価額の修正

⑦負担調整措置・特例措置の適用の修正

⑧納税義務者の修正

 

 ①と⑦は、法令の適用誤りです。

 ②~⑤は、土地や家屋の現況が変化したことを市町村が把握することができなかったために生じたものと思われます。市町村の固定資産評価員は土地や家屋の現況を毎年調査することとされていますが(地方税法第408条)、実際には土地や家屋の数に比して市町村の職員の数が足りないために、把握漏れも生じているようです。

 ⑥は、②~⑤とは別に設けられていることからすると、②~⑤以外の事情による評価額の修正と思われます。固定資産評価基準の適用誤りや市町村独自の所要の補正の適用誤りがこれに含まれていると思われます。

 ⑧は、納税義務者の判定を誤ったために、後にこれを修正したものと思われます。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.土地と家屋の固定資産税の金額が確定されるまでのプロセスを教えてください。

A.固定資産税は、おおまかには以下のプロセスを経て金額が確定します。

 

1 市町村の固定資産評価員等が固定資産の実地調査を行います(地方税法第408条)。

 

2 固定資産評価員等が固定資産の評価を行い、これを「評価調書」にまとめます(地方税法409条1項)。評価調書は、市町村長に提出されます(地方税法第409条4項)。

 

3 市町村長は、固定資産の価格等を決定します(地方税法第410条1項)。価格の決定は、「固定資産評価基準」及び「評価調書」に基づく必要があります(地方税法第403条1項、410条1項)。

 

4 市町村長は、決定した固定資産の価格等を固定資産課税台帳に登録します(地方税法第403条1項)。

 

5 固定資産税の課税標準は、土地については土地課税台帳等に登録された価格、家屋については家屋課税台帳等に登録された価格です(地方税法第349条第1項)。

 

6 必要に応じて課税標準の特例を適用し、課税標準を確定させます。課税標準の特例としては、例えば、住宅用地特例(地方税法349条の3の2)、被災住宅用地等特例(地方税法第349条の3の3)などが挙げられます。

 

7 固定資産税は、原則として、課税標準×1.4%で算出されます(地方税法第350条)。市町村から納税者に「納税通知書」と「課税明細書」が交付され、固定資産税が徴収されます(地方税法第364条)。

 

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.固定資産の登録価格の決定(固定資産評価額)が誤りとなるのは、どのような場合ですか?

A.最高裁平成25年7月12日判決・民集67巻6号1255頁は、「土地の基準年度に係る賦課期日における登録価格の決定が違法となるのは、①当該土地に適用される評価基準の定める評価方法に従って決定される価格を上回るときであるか、あるいは、②これを上回るものではないが、その評価方法が適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものではなく、またはその評価方法によっては適正な時価を適切に算定することのできない特別の事情が存する場合であって、同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るときであるということができる」と判示しています。これは土地に関する判断となっていますが、家屋についても妥当すると解されています。

 したがって、①固定資産評価基準の適用を誤った結果、登録価格が本来、適正に同基準を適用した場合の価格を超えた場合(適正な時価を超えたかどうかは問われない)、②固定資産評価基準が一般的な合理性を欠く、または固定資産評価基準では適正な時価を適切に算定することができない特別の事情があり、登録価格が適正な時価を超えた場合には、固定資産の価格の決定が誤りとなります。

 固定資産評価基準の適用を誤り、登録価格が本来あるべき価格を超えた場合には直ちに違法になりますが、固定資産評価基準の適用に誤りがない場合には、単に不動産鑑定士による不動産の鑑定評価額が登録価格を超えているというだけでは登録価格は違法にはならず、それに加えて固定資産評価基準では適正な時価を算定できない特別な事情を納税者側が主張立証する必要がある点に注意が必要です。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.固定資産の価格の決定を争うにはどうしたらよいですか?

A.固定資産の価格の決定を争うためには、自治体に設置された固定資産評価審査委員会に審査の申出を行う必要があります。

審査の申出については、東京都固定資産評価審査委員会の案内ページが参考になります(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/info/hyoukashinsa.html)。

 固定資産の価格の決定を争うためには、基本的には、3年に1度の基準年度(次は2021年)の年に、納税通知書が届いてから3か月以内に審査の申出をしなければならない、という点が重要です。そのため、価格の決定を争うつもりがある場合には、実際には基準年度の前の年から固定資産の価格の決定に誤りがないか調査の上、審査の申出の際に提出する書面の準備をする必要性が高いといえます。

 固定資産評価審査委員会の審査の決定に不服がある場合には、この審査の決定の取消訴訟を提起することになります。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.固定資産の価格以外の事項を争うにはどうしたらよいですか?

A.固定資産の価格以外の事項を争うためには、市町村長(東京都の場合には東京都知事)に審査請求をする必要があります。

 価格の決定を争う場合と異なり、いずれの年でも審査請求をすることができますが、価格の決定を争う場合と同様、基本的には納税通知書が届いてから3か月以内にこれを行う必要があります。

 このように固定資産税については、何を争うのかによってその争訟手段が異なるということになります。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.自治体に対して価格の決定の誤りを指摘することは随時できますか?

A.可能です。随時、そのような指摘を申し入れることができます。ただし、自治体も価格の修正の要否は慎重に検討するため、固定資産の価格の決定に誤りがあることを、証拠をもって指摘する必要があります。また、自治体との見解が食い違い、自治体が任意に価格の修正に応じない場合には、3年に1度の基準年度を待ち、審査の申出を行う必要があります。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.自治体が価格の修正に応じた場合、どうなりますか?

A.5年前から直近の登録価格が修正され、それによって払いすぎていた固定資産税が還付されます。また、5年よりも前の分についても、払いすぎていた固定資産税相当額の金銭が支払われることになります。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

Q.何年前まで遡って払いすぎた固定資産税相当額の返還を受けられますか?

A.固定資産の課税誤りがあった場合、地方税法に基づき過去5年間に払いすぎていた固定資産税が還付されます(地方税法第18条の3)。5年よりも前の分については、各自治体の定める固定資産税の返還金要綱に基づき支払いがなされます。返還金要綱の内容は自治体によって異なりますが、最大でも20年前までに限定されます(国家賠償請求の除斥期間が20年であることと平仄を合わせるものです。)。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 山田重則

 

上へ

メールマガジン登録