Q 固定資産税はどのように算出されるか?
A 土地、建物の固定資産税は、以下の過程を経て算出されます。
1 市町村の固定資産評価員等が固定資産の実地調査を行います(地方税法408条)。
2 固定資産評価員等が固定資産の「評価」を行い、これを「評価調書」にまとめます(地方税法409条1項)。評価調書は、市町村長に提出されます(地方税法409条4項)。
3 市町村長は、毎年3月31日までに、固定資産の価格等を決定します(地方税法410条1項)。価格の決定は、「固定資産評価基準」及び「評価調書」に基づいて行われる必要があります(地方税法403条1項、410条1項)。
4 市町村長は、決定した固定資産の価格等を「固定資産課税台帳」に登録の上、これを公示します(地方税法411条1項、同2項)。
5 固定資産税の「課税標準」は、土地については土地課税台帳等に登録された価格、家屋については家屋課税台帳等に登録された価格です(地方税法349条第1項)。
6 土地、家屋によっては「課税標準の特例」の適用があるため、必要に応じて特例により課税標準を修正します。たとえば、住宅用地については、その課税標準を土地の価格の3分の1または6分の1とする課税標準の特例があります(地方税法349条の3の2)。
7 課税標準に税率を乗じて固定資産税の金額を算出します。固定資産税の標準税率は、1.4%です(地方税法350条)。
8 必要に応じて土地の負担調整措置による税額の減額(地方税法附則18条)や新築住宅等の税額の減額(地方税法附則15条の6ないし11)等を適用し、固定資産税の金額を修正します。
9 以上の過程を経て税額が確定した後、市町村は、納税者に対し納税通知書、課税明細書を交付し、固定資産税の徴収を行います(地方税法364条)。納税通知書、課税明細書の交付は、通常、毎年4月から6月にかけて行われます。
以上のとおり、固定資産税の金額の計算は、その固定資産の価格(評価額)を出発点としています。もっとも、自治体による価格の見直しは3年に1度行われるにとどまります(地方税法349条1項~3項)。そのため、上記のうち1と2は、3年に1度しか行われません。実務上は、この価格の見直しを「評価替え」といい、評価替えの行われる年を「基準年度」といいます(地方税法349条1項)。固定資産の価格は、3年間は据え置きとなるため、基本的には固定資産税の金額も3年間は変わらない、ということになります。
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