成年後見人は親族で
成年後見人は親族が望ましいとの見解を最高裁が出したということだ(3月19日朝日)。近年は親族ではなく、弁護士や司法書士等の専門職が後見人に就くことが多く、その割合は70%近くあったと記憶している。ところが認知症患者は現在でも400万人近く、近く700万人にもなると言われている中で、専門職に任せていると後見人が足りなくなるのは必定という環境であった。後見人に誰がなるべきかは重要な視点だが、このまま専門職に頼ることは物理的にできないと判断したこともあるだろう。さらに後見制度は家庭裁判所の関与の大きないわば官製システムであるが、家裁のキャパシティーも考えれば、民間あるいは地域社会にその担い手を移していきたいとの思惑も働いてくるだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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