会社法QA(平成26年改正後版) 第14回 決算公告

【解説】

 会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後、遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表および損益計算書)を公告しなければなりません(440条1項)。公告の方法は、官報、時事に関する日刊紙、または電子公告のうちから会社が選択できます(939条1項)。官報または日刊紙にするときは、貸借対照表の要旨の公告で足ります(440条2項)。また、法務省令に定めるところにより、電磁的方法により貸借対照表を開示するときは、右の公告は不要となります(同条3項)。さらに、金融商品取引法24条第1項により有価証券報告書を提出すべき義務がある会社は、これらの公告をする義務を負わないこととされました(同条4項)。

 決算公告の目的は、利害関係人に対して、株式会社の計算書類に関する情報を提供するためですが、金融商品取引法上の有価証券報告書に記載すべき情報は決算公告で公告すべき情報よりも詳細であり、このような詳細な情報が一般に公開されているので、重ねて決算公告を義務づける必要がないからです。

 なお,従来から有限会社には公告義務が課せられていなかったことから,特例有限会社は公告義務が免除されています(会社法整備法28条)。合同会社を含む持分会社にも公告義務は課せられていません。

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