就活ルールの廃止

 私が社会人になった1981年のころは、就活のスタートは大学4年の10月1日であった。その日は朝から大手町近辺の、銀行・商社をはじめとした大企業の前にはスーツを着た学生が並んだ。他方現在のインターンシップのような事前の選別はなかった。スタートからほんの1週間ほどで内定が出て、その後は他社を訪問できないように、懇親会名目で拘束された。都外の観光施設に2、3日連れ去られるという、今から考えれば違法すれすれの行為もあった。当時から徐々に就職活動も、職業観も変わってきた。細かな異論はあっても、カルテルもどきの協定はもはや時代遅れであることは否めないのではないか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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