鳥飼総合法律事務所

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【ベトナム労働法(3)】時間外労働はどのような場合に認められるか

 
投稿者
川久保皆実
取扱分野
人事・労務
 

前回の記事で、使用者は、次に掲げるすべての条件を満たした場合に、労働者に時間外労働させることができるということをご説明しました(ベトナム労働法第106条、45号政令)。

  1.  労働者の同意を得ること。
  2. 労働者の時間外労働の時間数は、1日の通常勤務時間の50%を超えてはならず、週当たり勤務時間の規定を適用している場合は、通常の勤務時間と時間外労働の総時間数が1日12時間を超えてはならず、1カ月で30時間、1年で200時間を超えてもならない。ただし、政府が規定する特別な場合は、1年で300時間を超えない時間外労働が認められる。
  3. 1カ月間に時間外労働の日が多く続いた場合、使用者は労働者が休めなかった期間の代休を取得できるよう人員を配置しなければならない。

 それでは、条件ⅱただし書きの、1年で300時間を超えない時間外労働が認められる「特別な場合」とはどのような場合でしょうか?

45号政令4条2項によると、以下のいずれかに当たる場合には、中央政府直轄省・都市の人民委員会(省レベル人民委員会)の労働者管理支援専門機関に書面で通知したうえで、年間200時間以上300時間までの残業を行わせることができる、とされています。

  1. 繊維品、衣料品、皮革、靴の生産・輸出用の加工、農産物・林産物・水産物の加工
  2. 電力の生産・供給、通信、石油精製、給排水
  3. 緊急で遅延できない作業に対処するその他の場合

次に、条件ⅲの代休を付与しなければならないのはどのような場合でしょうか?

45号政令4条3項によると、労働者が1ヶ月に最大7日間連続残業した場合、その都度、使用者は労働者に対して休めなかった時間に等しい時間の代休を手配しなければなりません。十分に代休を手配しない場合、労働法第97条の規定に従って、残業代を労働者に支払わなければならなりません。

——————

上記のような通常の時間外労働の他に、特別な場合の時間外労働の規定もあります(ベトナム労働法107条)。

使用者は以下のいずれかに当たる場合には、労働者に対していかなる日でも時間外労働を要求することができ、労働者はそれを拒否することができません

  1. 法規による国防・安全保障上の緊急事態において、国防・安全保障上の任務遂行のため動員令を履行する場合。
  2. 自然災害・火災・疫病および大惨事の防止および被害克服において、人命、機関・組織・個人の財産を守るために必要な業務を履行する場合。

 

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