第三者委員会至上主義
企業はもちろん大学や官庁まで、不祥事が起きると弁護士を中心とした第三者委員会が招集されて、不祥事の原因などの調査をする。弁護士からみると、一昔前の株主総会指導から第三者委員会へ、企業法務における飯の種は移ってきているとの印象だ。不祥事を起こした企業は第三者委員会を組成するのにあたり、報酬を値切ったり、事務所のショッピングをしたりはしないということだろう。ただ、第三者委員会の出した結論が全て、といった第三者委員会至上主義は危険だし、企業の自浄能力の涵養にマイナスだ。第三者委員会に丸投げで思考停止に陥ってしまうと、企業の内部統制は高度化の機会を逸し、不祥事に対する反省もどこか他人ごとになってしまう危険もある。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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