中国のおとなしい若年失業者
中国の若年層失業率は公式統計で20%を超える。これにそもそも働く気がない若年層を加えると、潜在失業率は50%近くにもなるという推計がある(8月2日日経)。
この状態では、欧米でもおそらく日本でも、若年層はデモなどやって暴れるだろう。しかし中国ではそうした気配はない。
その理由について、今週号のニューズウィークは解説をしている。第一に強権的当局が怖いこと。よくわかる。第二に成人しても親が養ってくれるので無理に働く必要がないこと。知らなかった。第三に、「寝そべり族」を代名詞として、人生全般に野心がない若年層が増えていること。深刻だ。最後の理由に対しては当局が働くよう鼓舞している。しかし、かれらが労働市場に流れるとさらに公式失業率は上がってしまう。
中国は恐れるに足りない国になりつつあるのかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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