プーチンのこと
地政学音痴にとってプーチンの行動について分からないことが三つ。
一つは、ウクライナへの軍事侵攻の動機が、本当にウクライナのNATO加盟阻止にあるのかということ。たしかに、ロシアにとってNATOの前線が国境に迫ることは居心地が悪いだろう。しかし、それはNATOにとっても同じではないか。ウクライナはこれまでNATO加盟希望を表明している。しかしNATOはこれを認めていない。仮にウクライナがNATOにすでに加盟していたら、NATOは今回のロシアの侵攻に直接対抗せざるをえない。こうした事態をNATOは避けたいだろう。さらに、ウクライナはクリミアを併合され、内部に親ロシア派組織を抱える、言わば火中の栗だ。これをNATOは拾いにいくだろうか。
ウクライナがロシアにとってもNATOにとっても緩衝地帯であるならば、ウクライナがNATOに加盟できる可能性は極めて低いのではないか。その限界的なリスクを回避するために、全世界(中国除く)を敵に回すような行動を取るだろうか。これが第一の疑問である。第二以降は次回に書きたい。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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