失敗者に厳しい日本の制度

 厚労省は、退職後に起業した場合の失業保険給付の期間を、1年から3年に伸ばす方針だそうだ(1月7日日経)。日本の制度や慣行は失敗者に厳しいが、それが少し緩和される。そういえば、手形の不渡り(支払遅延)を2回すると銀行取引が停止される。そして、その情報が全金融機関に行き渡るという、失敗者に過酷な手形交換制度はまだ生き残っているのだろうか。
 米国で事業に成功している人は、過去に倒産などの失敗の経験のある人が多い。日本の手形交換のような復活戦を許さない制度や慣行が生き残っているとすると、起業家は生まれにくいし、連続起業などなおさらだ。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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