認知症患者の預金引き出し
認知症患者の預金を、その親族が引き出せる指針を全銀協がまとめた(2月19日日経)。法律構成は不明だが、医療費や介護費の支払いなど患者本人の利益になることが明らかな場合、一定の手続きのもと親族が引き出すことを認めるようだ。
本人が認知症になってから、その親族が「勝手に」本人の預金の引き出しをするのはよくあることだが、その後の相続の際に、「本人の利益のために使った」との言い訳を封じる効果もあるかもしれない。他方で、法律構成がはっきりしている、後見制度や民事信託の利用は減るかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.09.12
奈良 正哉
相続には信託
相続預金のつなぎ止めのために、地域金融機関が本体による信託ビジネス参入を図る動きが見える。人間が絶…
-
2024.09.03
奈良 正哉
戸籍謄本の電子取得
戸籍謄本が電子手続きで取得できるようになるようだ(8月22日日経)。戸籍制度は日本とその影響下にあ…
-
2024.07.31
奈良 正哉
超高級老人ホーム
三井不動産は、入居金最高額5億円を超える超高級老人ホームを運営する(7月30日日経)。「問い合わせ…
-
2024.07.29
奈良 正哉
減らない高齢者の金融資産
高齢者の金融資産は60-65歳の平均で1,800万円。これが85歳でもその減少幅は1割台だそうだ(…
奈良 正哉のコラム
-
2024.10.24
奈良 正哉
ボーイング大幅賃上げ
ボーイングは組合のストに負けて、4年で35%(単純年8%超!)もの賃上げを提示した。他方、同社は航…
-
2024.10.23
奈良 正哉
インサイダー監視なめてる?
金融庁に出向していた裁判官がインサイダー容疑をかけられている。今度は本丸東証の職員がインサイダー容…
-
2024.10.21
奈良 正哉
長い書名
ヒット本の書名は長くなっているそうだ(10月20日日曜日日経)。ヒット本を読まないのでそんなものか…
-
2024.10.15
奈良 正哉
スタートアップに投資をしたいけれど
大企業がスタートアップへの投資を活発化させているという記事がある(9月25日日経)。企業は全般に金…