特別養子年齢引き上げ
特別養子の対象年齢上限が現行の6歳から15歳に引き上げられる見込みだ(2月15日日経)。方や、子供に恵まれないカップルがあり、方や、実親に虐待されて亡くなる子供がいる。これらのミスマッチを解消するのは重要だ。記事中触れられていないが、特別養子は普通養子と異なり、実親との親子関係が切れることに特徴がある。逆に言えば、普通養子は、実親との関係はそのままに、養親と併せ二重の親子関係を持つことになる。これが後に複雑な相続手続きを生むことがある。幼いころ普通養子に行ってその後何十年も経過して、実親や他の兄弟達の存在すら忘れた頃に、実親の相続が開始され、見も知らぬ兄弟達から遺産相続の場に引きずれ出されることがあるからだ。何のことかわからない、どうしたらいいのかわからない、ただただ面倒なだけだろう。相続手続きをいたずらに遅延させる場合がある。特別養子にはそうした懸念がないことにも隠れた意味はあるだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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