死後のこと
死後のことと言ってもスピリチャルな話ではなく、実務の話である。今週号の週刊朝日、現代、ポストなど一般雑誌がこぞって、自分自身や老親の死後のことを特集している。しばらく日経にも死について連続コラムが掲載されていた。死後の実務で特に深刻なのが、独り身の方の死である。死んだら終わりではなくて、遺体の引き取りや葬式や未払いの負債の支払など、実務はたくさん残される。通常それらは相続人等の親族がやるが、独り身の場合やってくれる人がいない。後見制度は若干死後についても任務が拡張されたが、基本的には死ぬまでの後見であって、死んだ後の面倒はみない。だから、後見契約に「死後事務」をオプションで付ける必要がある。自分の死後、天国から引き取り手のない自分の遺体を眺めるのは、心地よくないだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2024.05.13
奈良 正哉
介護職不足
休日の朝7時、近所のご老人の突然の訪問を受けた。 認知症患者が高齢者の7人に1人になるとの試算が…
-
2024.04.15
奈良 正哉
地方金融機関の受難は続く
相続を期に、地方に住む親から都会に住む子供世代に預金が移動している(4月14日日経参照)。金利が付…
-
2024.04.12
奈良 正哉
廃業・倒産も悪いことばかりじゃない
ゼロゼロ融資の麻酔も切れ始めて、2023年度、廃業・休業は5万件を数え、倒産も9千件を超えた。対し…
-
2024.02.28
空き家問題ニュース
空き家問題は根深いので間欠泉のようにニュースになる(2月28日日経参照)。有効利用しようとしてもそ…
奈良 正哉のコラム
-
2024.05.15
奈良 正哉
総合職と一般職
総合職と一般職の処遇に差をつけるのは、間接的な男女差別にあたるとの判決が出た(5月14日日経)。広…
-
2024.05.14
奈良 正哉
CSR ESG SDGsさて
企業経営にかかわる者としてはあるまじき状態かもしれない。ただ、かつてのCSR、その後ESG、さらに…
-
2024.05.13
奈良 正哉
介護職不足
休日の朝7時、近所のご老人の突然の訪問を受けた。 認知症患者が高齢者の7人に1人になるとの試算が…
-
2024.05.09
奈良 正哉
オアシスの提案力
アクティビストとして注目を集めているオアシスが、アインHDの株式を15%保有したとの小さな記事があ…