ゴーン報道に見る新生銀行のコンプライアンス意識
以下は、ゴーンと新生銀行との取引の存在と内容が、一連の報道のとおりであったと仮定しての意見である。同行は含損失発生で増担保が必要になってそれをゴーンに要求したら、ゴーンから取引当事者を同氏から日産に変更する提案を受け、取締役会承認を前提にそれを承諾した、ということである。取締役会の承認など取れないだろう。とすればゴーンもあきらめて、同行の要請である増担保に応じるであろうという読みだったのか。それが案に相違して、取締役会の承認を取ってきてしまった(常識的にはあり得ないと思うが)ので、やむなく当事者のスイッチに応じた、ということか。金融庁から指摘されるまでは通常の取引とまでいえないまでも、取締役会の承認さえあれば許容される取引であったと考えていたのか。それとも、ゴーンについては、日産内部だけでなく、同行においても超法規的な存在だったのか。同行の規範意識はどこへ行っていたのか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.07.15
奈良 正哉
ホンダ日産部分統合
日産は、アメリカでホンダ車を作ったり、ホンダと基盤ソフトを共通化したりするそうだ。 いまさら、「…
-
2025.07.11
有事導入型アクティビスト対抗策
このコラムでは「ステルス型」と称していたアクティビスト対抗策を、フジテレビが導入する(7月11日日…
-
2025.07.10
奈良 正哉
個人株主増加
日本株の個人株主が増加している。特に若年層の増加が顕著だ(7月5日日経参照)。投資を促したい当局お…
奈良 正哉のコラム
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.07.16
奈良 正哉
イギリスから脱出する富裕層
イギリスから国外に移住する富裕層の数は、2025年には中国を抜いてトップになる見込みだそうだ(Bu…
-
2025.07.15
奈良 正哉
ホンダ日産部分統合
日産は、アメリカでホンダ車を作ったり、ホンダと基盤ソフトを共通化したりするそうだ。 いまさら、「…
-
2025.07.14
奈良 正哉
暑すぎて働けない
猛暑で屋外で長時間は働けなくなっている(7月11日日経)。建設業などでは深刻だ。経営者としては、作…