金に貪欲な経営トップは

 ゴーンの続報として、新生銀行も巻き込んだスキャンダルが報道されている(今週号サンデー毎日、ダイヤモンド等参照)。大まかに言えば、ゴーンが個人として新生銀行とやった投機取引で多額の含み損失が発生し、その処分として取引相手をゴーン個人から日産に付け替えた、というものだ。真偽はわからないが同様の複数の報道がなされている。また、金融庁が新生銀行に検査に入った際に、同行に対してこの取引の違法性について指摘し、結果としては取引は解消された、という具体的な顛末まで報道されている。だから、細部はともかく大筋は本当のことなのだろう。おそるべき順法意識の欠如といわなければならない。高額報酬はそれに見合った実績があれば正当化されるが、金に貪欲でかつ順法意識の欠落した人間をリーダーに据えるとろくなことはない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

関連するコラム

奈良 正哉のコラム

一覧へ