ビジネスとしての遺言 3
遺言を書くこと自体は、書く決心をすることに比べてさほど難しくない。本当に難しいのは執行段階である。財産が単純で相続人に争いがなければそうでもないが、相続財産に価値の乏しい不動産があったり、相続人に(潜在的な)争いがあったり、相続人がいなかったりすると結構な手間と時間がかかる。信託銀行は遺言作成時に執行者を信託銀行とすることを予め承諾してもらうのが基本ビジネスモデルだが、上述の例にように執行困難な案件になると辞退してしまう。以降は弁護士の出番となるが、手間と時間がかかり儲からないビジネスであることにかわりはない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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