日大アメフト部 4
日大アメフト部問題を解明する第三者委員会の活動が早くも批判を浴びている。この問題は、アメフト部監督・コーチに対する非難に始まり、広報、学長、ついに日大ガバナンスにまで批判が繰り上がってきているから、第三者委員会もその対象となることは予想できた。第三者委員会の具体的ミッションは定かではないが、日大全体のガバナンスにまで及ぶものではなく、反則タックルが監督・コーチの指示であったか否かを明らかにすることだろう。結論としては、所属リーグが出した一刀両断的なものにはならないだろう。「指示があったという明確な証拠はなかった」とするのは委員会としても勇気がいることだが、他方世間が求める「指示があった」とすることも、関係者の供述しか証拠がない中で、「証拠裁判主義」やら「疑わしきは罰せず」の原則が染みついている弁護士にとっては難しいだろう。とすると、「監督の実際の指示を選手が反則指示と受け取ったとしてもいたしかたない事情があった」などの結論になるのではないか。これは日大アメフトの当初からの主張に沿うものになってしまう。とすると委員会のミッション外であることも手伝い、日大のガバナンスまで踏み込むことはできないだろう。世間が求める理事長の首を取れるのは監督官庁である文科省だけだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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