テレビ朝日のコンプライアンス
女性記者と次官が一対一で、複数回夜会食をしたことを前提に一回だけ書く。この場合どちらが会食費用を出しているのかがまず問題ではないか。次官は自分が取材対象であることを認識しているから、自分がポケットマネーを出しているとは考えにくい。もちろん財務省にそんな予算があるはずもない。とするとテレビ朝日側ということになるが、コンプライアンス上は考えられない事態である。相手が公務員の場合の接待は贈賄に当たる危険があるので、コンプライアンス規定で厳格に禁止しているはずだ。費用の面を置くとしても、自社の担当が女性であれば、セクハラ危険防止のために、夜間に一対一の状況を作ることを通常は禁止しているはずだ。テレビ朝日はこういった規定もないほどコンプライアンス後進企業なのか、あったのにもかかわらずこの女性記者はそれを破ったのか、破っていることを上司が黙認するような企業風土なのか。実際の被害に遭う前から同社のコンプライアンスには大きな問題があるように思う。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 | |
---|---|
業務分野 |
関連するコラム
-
2024.07.26
奈良 正哉
小林製薬顧問報酬200万円
小林製薬は、事件の責任をとって会長を引いて顧問になった創業家一族の小林氏に対して、月額200万円!…
-
2024.07.22
奈良 正哉
バイデン氏撤退
銃撃直後の共和党指名大会で、トランプ氏は「団結」や「全国民の代表」といった言葉使って、これまでにな…
-
2024.07.19
奈良 正哉
バイデン氏撤退包囲網
バイデン氏撤退包囲網は狭まっているようだ。現在はともかく任期終盤にはとても重職が務まるとは思えない…
-
2024.07.16
奈良 正哉
地銀政策保有から純投資へ
地銀では保有株式の保有目的区分を、政策投資から純投資に振り替える動きが盛んだそうだ(7月11日日経…
奈良 正哉のコラム
-
2024.07.26
奈良 正哉
小林製薬顧問報酬200万円
小林製薬は、事件の責任をとって会長を引いて顧問になった創業家一族の小林氏に対して、月額200万円!…
-
2024.07.25
奈良 正哉
中国は国営企業を中心に成長する?
中国は国営企業を中心に成長していくことを3中全会で確認した(7月19日日経)。国営企業の非効率性は…
-
2024.07.24
奈良 正哉
みずほ社員教育投資
みずほFGは社員が資格を取得した場合、報奨金として最大40万円を助成する(7月18日日経)。社員教…
-
2024.07.22
奈良 正哉
バイデン氏撤退
銃撃直後の共和党指名大会で、トランプ氏は「団結」や「全国民の代表」といった言葉使って、これまでにな…