民事信託における委託者の契約能力
現在組成されている民事信託は高齢者保護を目的としたものが多い。だからもちろん委託者は高齢者である。民事信託と同じような機能を持つ従来型の仕組みとして遺言がある。遺言も高齢者によって作成されることがほとんどである。高齢者は理解力や判断力が下降線にある。その遺言者が亡くなったあと、遺言者が本当に内容を理解して、自身の判断に基づいて遺言をしたのか(遺言能力)が争われる裁判はたくさんある。民事信託はまだ実質的な歴史は浅い。しかし遺言よりもずっと複雑で条文数も多い民事信託を、高齢委託者が理解し判断して契約したのか、争われる例は今後相当数出てくるかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.12.10
奈良 正哉
ペアローンは鎹
マンション価格が高騰して、夫婦のうち一方の収入では到底購入できなくなった(12月9日日経参照)。そ…
-
2025.11.17
奈良 正哉
城北信金信託免許
城北信金は信用金庫では初となる信託業務の認可を受ける(11月13日日経)。併せて遺言業務など付随業…
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
奈良 正哉のコラム
-
2026.02.04
奈良 正哉
モームリ社長逮捕
退職代行会社モームリの社長が弁護士法違反容疑で逮捕された。弁護士法違反にあたるとは思っていなかった…
-
2026.02.03
奈良 正哉
中道大敗の末に
自民大勝・中道大敗の予測が続いている。中道大敗の内訳は旧公明維持、旧立憲大敗以下の壊滅ないし死に体…
-
2026.02.02
奈良 正哉
薄利薄給のオーバーツーリズム
オーバーツーリズムが叫ばれて久しい。しかし宿泊業の業績はさえない。当然従業員の給料もさえない。1,…
-
2026.01.30
奈良 正哉
ニデック株価至上主義
ニデックの会計不正について同社は東証に改善計画書を提出した。問題の本源たる組織風土に、永守氏の「株…