民事信託における委託者の所有権 2
典型的な民事信託の構図は、高齢資産家が委託者になり、その親族(例えば息子)が受託者になる、最初の受益者は委託者と同一人物である高齢資産家がなる、というものである。これにより、高齢資産家の資産が悪徳業者に騙し取られるのを防止できる。なぜ騙し取られるのを防止できるのかといったら、信託譲渡により、財産の所有権はすでに高齢資産家にはなく、その息子に移っているからである。所有権のない人を騙しても財産は取れない。当然登記の移転もできない。委託者にとって所有権を失うという抵抗感のある手続きを踏むから、財産の保全が万全になるといえる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2026.10.22
奈良 正哉
元気な高齢者増加中
80代の要介護率が10年前より3%低下した(10月21日日経)。元気な高齢者が増えることは当人にと…
-
2026.10.19
より使いやすい成年後見に
認知症患者の保護として成年後見制度がある。成年後見人にはほぼオールマイティの権限が与えられている。…
-
2026.09.08
奈良 正哉
日本の長期金利3%の投資家的意味
日本の長期金利(10年物国債の利回り)が3%をつけた。市場関係者では話題である。もっぱら財政健全化…
-
2026.07.09
奈良 正哉
みずほ信託銀行相続ノウハウを伝授
みずほ信託銀行は、地域金融機関に相続関連ノウハウ取得のためのサブスクサービスを提供する。 ゼロ金…
奈良 正哉のコラム
-
2026.10.30
奈良 正哉
フランスの混乱
フランスの学生デモに乗じた破壊行為は、マクロン氏は極左暴力組織が主導していると言い、トランプ氏は移…
-
2026.10.29
奈良 正哉
ペルーの校則
日系女性が大統領になったペルーは、公立学校の生徒に対して身だしなみ規則を作るそうだ。男子生徒は短髪…
-
2026.10.28
奈良 正哉
中小企業のガバナンス
ガバナンスといえばもっぱら大企業が問題になる。中小企業は東証で問題にしているレベル未達はもちろん、…
-
2026.10.22
奈良 正哉
元気な高齢者増加中
80代の要介護率が10年前より3%低下した(10月21日日経)。元気な高齢者が増えることは当人にと…