バブル崩壊の年初め

 株式バブルの頂点たる1989年末の約4万円の日経平均を見て、1990年の株価予想には、5万円あるいはそれ以上の株価が躍った。明けて1990年の発会は200円売られた。「静かな発会もいい」とある独立系証券会社のオーナーが私に言ったのを覚えている。今思えばこれがバブル崩壊のゴングであった。当初は、ある外資系投資銀行の現物売り先物買いの裁定解消取引が株価下げの犯人にされていた。しかし実態に合わないところまで買い上げられたいわゆるバブルは音を立てて潰れ、しまいには実態まで潰れそうになった。資本主義経済は終わりかとまで思ったものだ。二連騰で始まった今年はどうか。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

投稿者等

奈良 正哉

奈良 正哉のコラム

一覧へ