アクティビストとの会話

 アクティビストとの会話にはもちろん有益な面もある。製造会社であれば経営者の主な関心は作ることと売ることだ。資本政策ましてや株式市場との会話への関心は低い。したがって、これらのノウハウの蓄積は薄い。それをアクティビストという社外CFOに補ってもらっていると思えば安いものだ。

 しかし、どんなに言いつくろってもアクティビストの関心は短期的な利益だ。他方会社側の関心は長期的な利益、さらに言えば永続的な利益だ。本音でいえば、会社はまずは、社員のためにある。次に顧客や社会のためにある。株主は三番目だろう。話を聞くとしても、根本的なところでは分かり合えないだろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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