安定議決権行使株主
少し古い記事だがGPIFと経団連が議決権行使について話し合いを持った(9月15日、9月18日日経)。GPIFは公的運用機関の親玉である。投資顧問会社を通じて大量の株式を保有していて、議決権行使に大きな影響を及ぼす。
その行使の在り方が経団連すなわち企業側から見れば不満があるらしい。例えば取締役会の構成(人数、社外比、女性比)が基準に満たないと、機械的に会社提案反対の行使をしているといったことなのだろう。
大量の株式を保有しているから、いちいち個別企業の事情を判断することは事実上困難だ。だから定量的な足切りをしても仕方がない。
さらに言えることは、GPIFは長期投資家であり「安定保有株主」ではあるが、決して会社側の意向に沿った「安定議決権行使株主」ではないということだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.09.16
奈良 正哉
高齢者割合増、高齢就業者増
65歳以上の高齢者の割合は29%となり世界最高だ。高齢就業者も930万人となり増加を続けている(9…
-
2025.09.10
奈良 正哉
大学の資産運用
大学の資産運用の多くは現預金のようだ(9月7日日経)。「運用」といえるかどうかははなはだ疑問だが。…
-
2025.09.09
奈良 正哉
タンス預金減少
タンス預金が13兆円減って47兆円になったようだ(9月8日日経)。金額自体は依然として膨大だが、増…
-
2025.09.08
奈良 正哉
ニデック会計不正
ニデックが会計不正の疑いで揺れている。事実はわからないが、第三者委員会が明らかにしてくれるだろう(…