国民審査違憲判決

 最高裁判所の裁判官への信任を投票する国民審査について、在外日本人に投票権がないのは違憲であるとの判決が出た(5月26日日経)。法律家の端くれなので関心がないとは言えないが、国政上いかなる意義があるのかは疑問だ。そもそも国民審査というのは機能していない。憲法上の権利ではあるが機能させる意義自体薄いと思う。
 日本では裁判官は民主的な存在ではない。しかし民主的であるということは、米国のように政治的であることも含意する。裁判官は民主的(政治的)存在でないほうがいい。裁判員裁判も経済的な負担(つまり税金の浪費)ばかりで意義は薄いと思う。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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