積み上がったキャッシュ

 中小の飲食などはキャッシュが足りなくて、緊急融資などで生き永らえている。半面、もともとキャッシュを潤沢に保有していた大企業は、ますますキャッシュを積み上げているようだ(9月20日日経)。潤沢なキャッシュにより経営上の安心感は生まれるが、キャッシュは収益も生まないし企業価値の増加にも寄与しない。
 こうした企業行動は、安心のために貯蓄に励み、万一のために支出を抑える老人のようだ。日本は個人レベルの高齢化が進み、同時に企業レベルの高齢化も進んでいるのだろうか。東証がプライム市場を作って世界にアピールしても、企業行動が変わらないと投資家からは見向きもされないかもしれない。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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