認知症患者の預金引き出し
認知症患者の預金を、その親族が引き出せる指針を全銀協がまとめた(2月19日日経)。法律構成は不明だが、医療費や介護費の支払いなど患者本人の利益になることが明らかな場合、一定の手続きのもと親族が引き出すことを認めるようだ。
本人が認知症になってから、その親族が「勝手に」本人の預金の引き出しをするのはよくあることだが、その後の相続の際に、「本人の利益のために使った」との言い訳を封じる効果もあるかもしれない。他方で、法律構成がはっきりしている、後見制度や民事信託の利用は減るかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.07.09
人手不足倒産
人手不足を主因とする倒産が増加している(7月9日日経)。人手不足倒産企業が、キャッシュフロー不足で…
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
奈良 正哉のコラム
-
2025.09.10
奈良 正哉
大学の資産運用
大学の資産運用の多くは現預金のようだ(9月7日日経)。「運用」といえるかどうかははなはだ疑問だが。…
-
2025.09.09
奈良 正哉
タンス預金減少
タンス預金が13兆円減って47兆円になったようだ(9月8日日経)。金額自体は依然として膨大だが、増…
-
2025.09.08
奈良 正哉
ニデック会計不正
ニデックが会計不正の疑いで揺れている。事実はわからないが、第三者委員会が明らかにしてくれるだろう(…
-
2025.09.03
奈良 正哉
サントリーの記者会見
新浪会長辞任によるサントリーの記者会見を見た。日経関連各社を除けば、無意味、無関係、重複質問のオン…