会社は農地を買えない
株式会社の農地取得がまた見送られそうな事態への、批判意見が掲載されている(2月2日日経夕刊「十字路」)。農業も、一般製造業と同じく規模を大きくしなければ、発展しないし、競争力も高まらない。そして、規模を大きくする知恵として会社制度がある。これに農水省がもっともらしい「できない理由」を掲げて反対しているそうだ。
これまで原則個人にしか許してこなかった農業は、従事者の減少と高齢化、耕作放棄地の増加により衰退の一途だ。農水省は結局農業を振興したいのではなく、既存農家、農協、さらに自分自身の既得権益を守りたいのだろう。「既得権益」と「農業」ほど相性のいい組み合わせはないようだ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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