親の判断力が衰えたら
9月初旬の日経夕刊に、「親の判断力が衰えたら」と題する解説記事が2回にわたって掲載されていた。判断力の衰えに対する制度としては後見制度が定番であったが、2回目は、後見制度の弱点への対抗措置として、家族信託が大々的に紹介されていた。ただ、家族信託は、親族に財産の管理を委ねるものだから、親族による後見と同様、身近に信頼できる親族がいる場合にだけ採れる手段である。そういう人がいなければ、家族信託は諦めて、弁護士等の専門家を頼る以外にない。高齢者の独居化が進むのは、弁護士等にとってはビジネスチャンスの拡大ではある。反面、高齢者は、信頼できる専門家を早目に確保しておくべきだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
-
2025.07.09
人手不足倒産
人手不足を主因とする倒産が増加している(7月9日日経)。人手不足倒産企業が、キャッシュフロー不足で…
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
奈良 正哉のコラム
-
2025.11.14
奈良 正哉
AIで雇用が減る?
アマゾンやマイクロソフトなど、メガテック企業で大規模な人員削減が相次いでいる。AIによりエンジニア…
-
2025.11.12
奈良 正哉
マムダニ新ニューヨーク市長誕生
ニューヨークでマムダニ新市長が誕生した。急進左派、移民、イスラム教徒だ。富裕層増税、家賃凍結などを…
-
2025.11.11
奈良 正哉
オルツ不正会計、弱小監査法人の限界
「オルツ不正会計の波紋」として日経に連続記事が掲載されていた。直接帰責させているわけではないが、弱…
-
2025.11.07
奈良 正哉
建設業3K脱出でも
大手建設会社大林組が建設現場にカフェ風休憩所を作った(11月6日日経)。建設業界の3K(きつい、汚…