経営者のやめる勇気
関西電力が会社として、旧経営陣に損害賠償を求めて提訴した(6月16日日経)。加えて、株主が、対象者を拡大して、株主代表訴訟を提起した(6月24日日経)。これまでの報道を見る限り、同社の経営陣は、高浜町の元助役に恫喝されて、無理やり金品を押し付けられたものと見受けられる。その意味では被害者的な側面があるだろう。過去の総会屋事件を思い起こさせる。最初に受け取った経営者は、恫喝に屈して受け取ったのだろう。続く人達は、過去からのしがらみ断つことができなかったのだろう。経営者として究極的に必要な資質は、「勇気」であると思う。新規事業をやるような積極的勇気はもちろんだが、違法なことをやらない、恫喝に負けない、しがらみを断つ、といった消極的な勇気こそが求められるのだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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