コロナの後は日本企業の勝ち
旧知の元大手銀行上級役員で、現在複数の企業の社外役員に就任している人がいる。その人が就任に際して社長に強調することは「ROE経営に騙されてはいけない」ということだそうだ。コロナで、米国大手航空会社は、すでに政府支援を求めるところまで追い詰められている。ROEを高めるために自己資本を薄くして、その分借入に頼ってきたことも要因だろう。JALやANAは社債に政府保証を求めるとの報道もあったが、間違いのようだ。日本企業の自己資本比率は一般に高い。さらに、平時には批判されていたが、多額の手元現金も保有している。欧米大企業に比べるとストレス耐性が高い。欧米政府・中銀が、まずは大手企業を助けなければならないのに比べて、日本政府・日銀は、もっぱら中小企業に集中できるだろう。ポストコロナは日本企業の勝ちではないか。期待も含めてそう予想する。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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