高齢者の自宅はいつ売るか。
先週発売の週刊現代に「最後まで自宅を売ってはいけない」という見出しがある。郊外の戸建て住居を売って、小ぶりの駅近マンションに引越す、高齢者施設に入居する、というのが現在のトレンドとも言える。このトレンドに対するアンチテーゼだろう。住み慣れた自宅を売って転居すれば、それまでの地域コミュニティから断絶する、新居の慣れないレイアウトで怪我をする、などが売ってはいけない理由として挙げられている。たしかにそういう側面はあるが、問題はいつが「最後まで」かだ。郊外の戸建ては需要が乏しくなってきているから、先延ばしするほど価格は下がる懸念がある。死んでから手放すのは相続人の負担になるし、共有になって事実上売却できなくなるリスクもある。死ぬ前でも認知症になってしまえば売却契約の能力を失う。「最後まで」持って売るにしても、民事信託などによって、いつでも売却できる準備をしておくのは悪くはないだろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.12.10
奈良 正哉
ペアローンは鎹
マンション価格が高騰して、夫婦のうち一方の収入では到底購入できなくなった(12月9日日経参照)。そ…
-
2025.11.17
奈良 正哉
城北信金信託免許
城北信金は信用金庫では初となる信託業務の認可を受ける(11月13日日経)。併せて遺言業務など付随業…
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.07.17
奈良 正哉
本音の身の丈ガバナンス
私のコラム群のうちガバナンスに関するものを編集して、SNSのnote の創作大賞2025ビジネス部…
奈良 正哉のコラム
-
2026.01.05
奈良 正哉
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。本日事務所も仕事始めです。 さて、2026年の株価の予測は、専門…
-
2025.12.26
奈良 正哉
2025年の振返り
年末になってテレビでは2025年の振返りが盛んだ。良くも?悪くも、トランプの年だった。アメリカファ…
-
2025.12.25
奈良 正哉
副業不動産の売却
サッポロビールはアクティビストに迫られて、恵比寿ガーデンプレイスなど不動産事業をファンドに売却する…
-
2025.12.24
奈良 正哉
中国の婚姻奨励と多産奨励
中国は急激な人口減が予測されている。それへの国や地方の対抗策として、婚姻を奨励したり、多産を奨励し…