時代が移ると
大和証券の前社長鈴木茂晴氏の「私の履歴書」が日経に連載されている。それは同氏の「私の履歴書」であると同時に、高度成長期からバブル形成期そしてバブル崩壊期に至る、日本の現代経済史のようでもある。バブル形成期までは、金になればなんでもありだったことがわかる。それが今や法律や企業の内部ルールで厳しく規制されている。他方、銀行の保有する取引先の株式(政策株)の削減が、「岩盤」に当たって進捗していないとの記事がある(1月28日日経)。銀行の政策株は銀行と企業が手を取り合って、時にはなれ合いの中で、ともに発展していく手段であった。これも時代が移って許されなくなりつつある。5年後には「かつては銀行が株式を保有することが許されていた」ということになるかもしれない。さらに進んで、10年後には「かつては銀行というものがあった」ということになるかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2025.08.08
奈良 正哉
MAGAの隠れた恩恵
トランプ大統領の看板「MAGA」は本来の成果を上げつつあるのかはわからない。しかし、世界の投資家の…
-
2025.08.07
奈良 正哉
日本の移民問題
日本人人口は調査以降最大の90万人減った。半面外国人は35万人増えた。過去の中国や朝鮮からのなし崩…
-
2025.08.06
奈良 正哉
最低賃金「過去最高」の63円上げ
2025年度の最低賃金は「過去最高」の63円上がり、全国加重平均1,118円で決着した。それでも企…
-
2025.08.05
奈良 正哉
キリン経営会議にAI役員
キリンは経営会議にAI役員を出席させる(AIを導入する)(8月4日日経)。社内外の情報を学習させて…