地銀の業純の投信依存
地銀のいくつかは、本来的もうけを表す業務純益を、投信の解約益で膨らませていた(12月11日日経)。いつか見た光景だ。バブル絶頂期から崩壊にかけて、大手銀行は業務純益競争をやっていて、手っ取り早い方法として投信の解約益が使われた。典型的には、株価が上がると儲かる投信と、反対に株価が下がると儲かる投信を、同時に証券会社に作らせて、期末に益が出ている方、つまり株価が下がると儲かる投信のみを解約して、その解約益を業純に繰り入れるものだ。後に残されるのは、株価が上がると儲かる投信だ。そして本格的なバブルの崩壊を迎え、この投信は多額の含み損を抱えた。政策保有株とともに株価リスクは膨大なものとなり、その後の決算を直撃し、格付けを下げる主要因ともなった。同じ道を行くのか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2025.08.18
奈良 正哉
お盆休みの急騰
お盆休みの間に、株式相場はずいぶん遠くに行ってしまった。普通の人が休みの間にも、市場関係の人は熱心…
-
2025.08.08
奈良 正哉
MAGAの隠れた恩恵
トランプ大統領の看板「MAGA」は本来の成果を上げつつあるのかはわからない。しかし、世界の投資家の…
-
2025.08.07
奈良 正哉
日本の移民問題
日本人人口は調査以降最大の90万人減った。半面外国人は35万人増えた。過去の中国や朝鮮からのなし崩…
-
2025.08.06
奈良 正哉
最低賃金「過去最高」の63円上げ
2025年度の最低賃金は「過去最高」の63円上がり、全国加重平均1,118円で決着した。それでも企…