産業医の資質

 今の産業医の資質に疑問があり、その交代が相次いでいるそうだ(12月12日日経)。経験的には産業医を意識するのは、過重残業者への面談と、メンタル不調者の職場復帰の際の面談だ。職場ストレスチェックのフォローも合わせ、いずれも精神科の領域が大部分を占めると思われる。しかし産業医には、他科を専門とする医者も多いだろう。これではなかなか実効性のある助言や監督はできない。加えて、産業医は職場をよく知る必要がある。物理的な環境だけでなく、職種や構成人員などから、どれほどのストレスがかかるのか、同じストレスでも隣の職場とどう違うのか、を把握しなければならない。腰掛ではできない仕事だろう。

鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

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