持合株式包囲網
企業間で株式を持ち合ういわゆる「持合株式」への包囲網が狭まっているようだ(9月6日日経)。なぜ企業が他の企業の株式を持つのか。当初の購入稟議を紐解けば、おそらく特定分野の営業上の要請であったことが多いだろう。ただ、年月が経つにつれ、その特定分野の営業はなくなってしまっていることもある。とすると現在残っている意義は、会社決定に100%従順な「物言わぬ株主」であるということだけになるだろう。ただ、会社ガバナンス上この意義を、保有趣旨として公表するわけにはいかない。だから漠然と「政策保有」と言ってきた。日本的表現だがもう通用しなくなってしまった。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2023.03.20
奈良 正哉
スイス一大銀行
経営危機のクレディスイスをUBSが救済合併する。金融の仕事に着いた頃は、スイス三大銀行と呼ばれ、そ…
-
2023.03.15
島村 謙
コストを抑えて行う事業承継型M&A
事業承継の切り札と期待されるM&Aが、廃業数の1%にとどまっているようです。原因として、業務…
-
2023.02.15
奈良 正哉
ツイッターはどうなるのか
マスク氏の買収後、ツイッター社では8割の社員が辞め、社員数は1300人になったと報じられた。これに…
-
2023.02.09
奈良 正哉
三菱重工国産ジェット撤退
三菱重工は難航していた国産ジェット旅客機事業からの撤退を決めた。何年か前、試験飛行機が離陸する様子…
奈良 正哉のコラム
-
2023.03.27
奈良 正哉
洪水と大雪の夢
ときどき洪水や大雪の夢を見る。朝起きて2階の寝室から外を眺めると、辺り一面水や雪に覆われていてる。…
-
2023.03.24
奈良 正哉
大谷君になれるかな
WBCで大谷君は世界中の野球ファンを魅了した。子を持つ日本人の親も魅了したことだろう。野球はもちろ…
-
2023.03.22
奈良 正哉
日本消費復活
昨日春分の日、母校の応援のため5年ぶりに甲子園を訪れた。行きの新幹線車両は、外国人観光客が半分を占…
-
2023.03.20
奈良 正哉
スイス一大銀行
経営危機のクレディスイスをUBSが救済合併する。金融の仕事に着いた頃は、スイス三大銀行と呼ばれ、そ…