ドイツ銀行の失敗M&A
ドイツ銀行の経営再建策が発表されている(7月8日日経)。ドイツ銀行が経営不振になって久しいが、その発端は1998年のバンカーズトラスト銀行の買収にあったのではないかと、かねてから思っている。ドイツ銀行はその名のとおり、ドイツ金融界の中心であり産業の支配者であった。その経営姿勢は保守的で堅実なものであったという記憶である。それに対してバンカーズは、派手な市場取引や投資銀行業務で鳴らした、良く言えば積極果敢な、悪く言えばお行儀の悪い銀行であったという記憶である。それを保守的なドイツ銀行が買収した。食い合わせが悪い買収だと当時から思っていた。その後、高収益(少なくとも見かけは)の投資銀行部門の旧バンカーズ出身者の発言力が強まり、結果今の事態に陥ったのではないだろうか(すべて推測だが)。食い合わせの悪いM&Aは、買収側の経営の根幹をも揺るがすという見本ではないだろうか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
| 投稿者等 | |
|---|---|
| 業務分野 |
関連するコラム
-
2026.04.22
奈良 正哉
みずほ信託総合首位
みずほ信託銀行は、商品力や使いやすさによる評価ランキングで初の総合首位となった。(4月22日日経評…
-
2026.04.13
奈良 正哉
同族企業への総合助言サービス
みずほ信託銀行は、同族企業の経営・資産承継など全般にわたる助言サービスを開始する(4月7日日経)。…
-
2025.08.25
奈良 正哉
合併よりSBI
SBIによる中小地銀への出資が再開した。フジテレビへの北尾氏の役員就任可能性がなくなったからだろう…
-
2025.08.05
奈良 正哉
キリン経営会議にAI役員
キリンは経営会議にAI役員を出席させる(AIを導入する)(8月4日日経)。社内外の情報を学習させて…
奈良 正哉のコラム
-
2026.05.12
奈良 正哉
二大政党制
英国では、地方選で与党労働党が惨敗した。保守党も受け皿にならず、二大政党制は崩壊しつつある。これで…
-
2026.05.08
奈良 正哉
再審決定に対する抗告
刑事事件はやらないので門外漢である。そのうえで、再審制度見直しにかかる法務省と議員の議論について書…
-
2026.05.07
奈良 正哉
ウクライナ戦争はどうなった
GW中はネガティブな市場の急変はなかった。イラン戦争については、トランプ氏の言動に一喜一憂しなくな…
-
2026.04.30
奈良 正哉
アジア新興国若年層失業問題
若年層の失業問題は、失業率が20%を超えてついに公表しなくなった中国特有の問題かと思っていた。しか…