株主総会のお土産は何のため?
株主総会の季節がやってくる。総務部やその担当役員にとって憂鬱な季節だ。さて、去年に引続き株主総会出席者へのお土産を廃止する企業が増加しているとの記事がある(6月7日日経)。それでもお土産なし企業の割合は4割程度らしい。お土産は日本人らしい慣習であろうが、総会出席者にだけかつ保有株数と関係なく、お土産を渡す合理性を説明することは困難だ。逆に機関投資家や外国人投資家はもらっても処理に困る。このことはすでに合法の判断が出ているとはいえ、株主優待にも当てはまるところがある。株主還元であれば、配当や自社株買いのような、誰から見ても合理的でかつ株主平等な方法のみを使うのが筋だろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.11.26
奈良 正哉
大企業社長の報酬低すぎないか
売上高1兆円超の企業57社(調査回答)の社長の報酬の中央値は1.2億円だそうだ(10月21日日経)…
-
2025.11.19
奈良 正哉
いわき信組刑事告発へ
金融庁は、反社への資金提供に加えて検査時の虚偽報告などにより、いわき信組を刑事告発する。業務改善命…
-
2025.11.11
奈良 正哉
オルツ不正会計、弱小監査法人の限界
「オルツ不正会計の波紋」として日経に連続記事が掲載されていた。直接帰責させているわけではないが、弱…
-
2025.10.29
奈良 正哉
ニデックはどうなってしまうのだろう
ニデックはどうなってしまうのだろう。東証から「特別注意銘柄」に指定されて、日経平均からも外された。…
奈良 正哉のコラム
-
2025.12.05
奈良 正哉
議員定数削減
議員定数削減は有権者の受けはいい。一方、歳出削減効果はほぼない。削減自体に反対はしない。思うところ…
-
2025.12.04
奈良 正哉
いつまで伊東市長・前橋市長
いまも伊東市長と前橋市長の動向が報道されている。バッシング目的だ。両市の住民でない大多数の国民には…
-
2025.12.03
奈良 正哉
中国経済悲観証拠
中国の日本に対する嫌がらせは尻すぼみになってきた。背景には中国経済の顕著な悪化があるだろう。日経に…
-
2025.12.01
奈良 正哉
当番弁護士登録者減少
刑事事件の弁護にあたる当番弁護という制度がある。そのまま国選弁護に流れるケースがほとんどだ。この「…