事業承継税制最後の一歩
中小企業の事業承継が喫緊の課題になっている中、国は税制の優遇措置を拡大してそのスムースな承継を後押ししている。その結果か「事業承継税制 中小が積極利用(5月19日日経)」という見出しに至ったが、多少割引して評価しなければならないかもしれない。なぜなら、記事中明らかになっているのは、事業承継税制の適用を受ける前提としての、事業承継計画の提出件数が増加している、ということに留まるからだ。計画の提出をしても実際に自社株を贈与して優遇税制の適用を受けるところまで、決心がついていない事業主が多いように見受けられるからだ。今すぐに息子に経営をバトンタッチする、すなわち引退するという決断はなかなか着くものではない。また優遇税制の適用を受け続けるために、経営体制は相当長期に渡って制約を受ける。これらの覚悟がない限りなかなか最後の一歩は踏み出せないのが本音ではないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2026.07.09
奈良 正哉
みずほ信託銀行相続ノウハウを伝授
みずほ信託銀行は、地域金融機関に相続関連ノウハウ取得のためのサブスクサービスを提供する。 ゼロ金…
-
2026.06.19
奈良 正哉
成年後見制度変更
成年後見制度が変更される(6月18日日経)。これまで一度後見人が就くと終身だったのが、途中でやめら…
-
2026.04.22
奈良 正哉
みずほ信託総合首位
みずほ信託銀行は、商品力や使いやすさによる評価ランキングで初の総合首位となった。(4月22日日経評…
-
2026.04.13
奈良 正哉
同族企業への総合助言サービス
みずほ信託銀行は、同族企業の経営・資産承継など全般にわたる助言サービスを開始する(4月7日日経)。…
奈良 正哉のコラム
-
2026.08.07
奈良 正哉
熱闘の裏側で
夏の甲子園が始まった。その裏側で、広陵やPLなど野球名門校(だった)の不祥事のその後について、「熱…
-
2026.08.05
奈良 正哉
北アフリカの絶望
モロッコから地続きのスペインの飛び地へ不法移民が急増していて、当地の大問題となっている。「海を泳い…
-
2026.08.03
奈良 正哉
日米協調介入
日米が協調介入に踏み切った。円は急騰している。 プラザ合意以降、協調介入は為替相場の転機になって…
-
2026.07.31
奈良 正哉
ストーカーにGPS
ストーカーにGPSを着けさせることが議論されている(7月29日日経)。反対派は「ストーカーにも人権…