事業承継税制最後の一歩
中小企業の事業承継が喫緊の課題になっている中、国は税制の優遇措置を拡大してそのスムースな承継を後押ししている。その結果か「事業承継税制 中小が積極利用(5月19日日経)」という見出しに至ったが、多少割引して評価しなければならないかもしれない。なぜなら、記事中明らかになっているのは、事業承継税制の適用を受ける前提としての、事業承継計画の提出件数が増加している、ということに留まるからだ。計画の提出をしても実際に自社株を贈与して優遇税制の適用を受けるところまで、決心がついていない事業主が多いように見受けられるからだ。今すぐに息子に経営をバトンタッチする、すなわち引退するという決断はなかなか着くものではない。また優遇税制の適用を受け続けるために、経営体制は相当長期に渡って制約を受ける。これらの覚悟がない限りなかなか最後の一歩は踏み出せないのが本音ではないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2026.04.22
奈良 正哉
みずほ信託総合首位
みずほ信託銀行は、商品力や使いやすさによる評価ランキングで初の総合首位となった。(4月22日日経評…
-
2026.04.13
奈良 正哉
同族企業への総合助言サービス
みずほ信託銀行は、同族企業の経営・資産承継など全般にわたる助言サービスを開始する(4月7日日経)。…
-
2026.04.09
奈良 正哉
相続手続き一括化
大手金融機関が相続手続きを一括対応できるようにする(4月9日日経)。「一括」が何を示すのかわからな…
-
2026.02.26
奈良 正哉
107歳まで生きる
2100年には日本人の平均寿命は、女97歳、男91歳になるとの国連の研究がある。また2007年に日…
奈良 正哉のコラム
-
2026.06.18
奈良 正哉
国が引き取った相続土地の行く末
国が引き取った「相続土地」の評価額を見直して売却を促進する(6月18日日経)。 しかし、そもそも…
-
2026.06.17
奈良 正哉
災い転じて福となす
ホルムズ海峡封鎖は世界に大きな影響を及ぼした。しかし、よいこともあった。政府の迅速な対応の成果であ…
-
2026.06.15
奈良 正哉
マッチポンプでも好感
トランプ氏はイラン紛争を引き起こし、そして(一時的にせよ)解決した。文字通りのマッチポンプだ。 …
-
2026.06.12
奈良 正哉
日本人は働きます
英国のニートは100万人を超え、16-24歳の人口の13.5%になるそうだ(6月4日日経)。米国で…