ふるさと納税からの離脱
東京都はふるさと納税から離脱するそうだ(4月12日日経)。ふるさと納税は、地方自治体から見れば納税者主体の税収入の再配分ではあるが、東京都のような大都市から見れば、税収入の引き剥がしということになる。自らこの仕組みに参加していては、制度に対する反対姿勢が鮮明にならないということだろう。今後このような自治体が増加していくかはわからない。制度には疑問を持っていても、背に腹は代えられないというところがほとんどだろう。制度のもう一つの側面は、高所得者ほど税控除の恩恵に与かれる額が多くなるという逆進性だ。逆進性は他の寄附でも同じだろうが、ふるさと納税では、高所者ほど、2000円でより高額の返礼を受けられるという見た目が逆進性を際立たせる。仮に納税者単位に上限規制が導入されれば、ふるさと納税の成長も止まるかもしれない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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