社外取締役の実効性 取締役側の問題
社外取締役に選ばれる側の就任基準もまた問題があるだろう。まずは不祥事などが発生しなさそうな企業ないし業種が望ましい。かつては銀行などがその最たるものであったろうが、これからはかえって危ないかもしれない。日産のような超大企業でも不祥事は発生するからなかなか難しい。次に報酬が基準になるだろう。報酬は拘束時間との兼ね合いで考慮される。拘束時間は、標準的には月1回2時間の取締役会プラスアルファといったところか。「拘束時間が短い=関与の程度が低くてよい」が就任基準になっているから、牽制機能もたいして期待できないことになる。他方、社外取締役でありながら、社員と一緒に、国内はおろか海外まで行って、従業員の生の声を聞こうとしている方もいる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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