社外取締役の実効性 会社側の問題
社外取締役の設置が義務化される方向だ。まずは型が大事だが、その実効性をどう向上させるのか。会社側でありがちな社外取締役の選任基準は、ネームバリューだ。大企業ほどその傾向が強いように思われる。しかしネームバリューのある人は忙しいから、会社の取締役としての業務にそれほど時間を割けない。また、ネームバリューがあるからといって、当該会社や業界のことをよく知り、その分牽制機能を働かせられるわけでもない。最近の例を見れば明らかだ。対極の選任基準は「安くておとなしい」だ。社外役員は「コスト」だから安いにこしたことはないのだろう。また、さすがに面と向かっては言わないが、取締役会には全部出席して、かつ余計な発言をしないことを求めている経営者もなくはない。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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