事業承継税制特例実質元年
事業承継税制特例は今年2018年に施行されたが、内容が難解なのと税理士のリスクが大きいので、勧める側である税理士が二の足を踏んでいた印象がある。ただ、各種のセミナーが催され、刊行物も徐々に出ていることから、来年からは本格的に動き出しそうな予感はある。事業者のうち小規模なところは事業承継税制特例を使わず、暦年贈与など従来からの地道な節税策のみをやる。事業者のうち相応の規模があり、かつ即時に後継者に自社株も経営権も委譲してよいと考えるオーナーは事業承継税制特例を使う。自社株は後継者(候補)に贈与してもいいが、即時の経営権の委譲には踏み切れないとする向きは、事業承継のための民事信託を選択することになろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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