マンション修繕の闇
今週の東洋経済の特集は「マンション絶望未来」と題され、その中で、修繕積立金を食い物にする悪質なコンサルタントの手口が紹介されている。12月1日の日経にも同様の事実が紹介されている。悪質なコンサルタント跋扈の原因は記事中の分析に詳しいが、マンションの修繕などは総じて小規模な工事だから大手のゼネコンは手を出さず、コンプライアンス態勢の脆弱な中小企業を中心に受注されていること。発注者である管理組合の理事はマンション管理の素人であること。さらにそれが毎年代わること。などもあげられるだろう。理事にたまたま建設関係の仕事をしている人がいればまだしも、素人だけなら悪質コンサルタントと談合体質の残る業者によって手玉に取られるのは必然ともいえる。せっかくマンション管理士という資格もあるのだから、企業の社外役員よろしく有料でそういう人を社外理事として招くのも一案ではないかと思う。新規分譲マンションなら、管理組合の社外理事としてマンション管理士や弁護士がいることを謳えば、付加価値になるのではないかとも思う。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
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