手軽な遺贈寄附の仕組みの必要性
相続人がいない場合遺産は国庫に帰属する。それが嫌なら遺言を書いて誰かに遺贈する。11月9日の日経が日本財団調べとして、60歳以上の20%が遺贈寄附へ前向きであるとの調査結果を報じている。これが、独身子供なしの人だと40%以上、夫婦のみだと30%以上に跳ね上がる。無機的かつ消去法的に自分の生きた証が国庫に帰属するよりも、自分自身が選択する誰かに有益に使ってもらいたいとする心情は自然である。ただ、これを実現する方法は現状遺言しかない。遺言を書くのは実は大変な決心と相応の費用が必要であり、なかなか書く人は少ない。記事中生前贈与を促す政策の必要性が言及されているが、生前贈与では、大きな金額を贈与してその後急にお金が必要になっても取り返せない、生前住んでいる自宅は贈与できない、などの制約もある。手軽な遺贈寄附の仕組みが必要であろう。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
投稿者等 |
---|
奈良 正哉のコラム
-
2025.01.17
奈良 正哉
後見人行政申立て
認知症高齢者を保護する制度として後見人制度がある。後見人の申立てをするのは、制度上第一に親族が位置…
-
2025.01.16
奈良 正哉
やっかいな隣国大混乱
やっかいな隣国の政治的混乱はその度合いを増して大混乱になってきた。 わからないのは、一般の警察と…
-
2025.01.15
奈良 正哉
経営コンサルタント倒産最多
経営コンサルタント会社の2024年の倒産件数が、集計以来最高になった(1月10日東京商工リサーチ)…
-
2025.01.14
奈良 正哉
中国長期金利下落・日中逆転
中国長期国債の利回りが引き続き低下している。2024年12月3日の日経の小さな記事に、30年債の利…