相続の季節
秋は相続の季節か。先週から今週にかけて一般雑誌のいくつかに、相続にまつわる記事が掲載されている。丁寧に読んでいるわけではないが、来年1月から徐々に改正相続法が施行されるから、それに合わせたハウツー記事なのだろう。来年1月にまず施行されるのは、自筆証書遺言の方式の緩和というもので、自分で書く遺言(「自筆証書遺言」という。)が幾分書きやすくなる、という改正だ。一方で、普通の人はなかなか遺言を書かない。遺書とイメージを重ねているようなところも見受けられる。「先立つ不孝をお許しください。」的な自殺の添え物といった印象を持たれている高齢者も多い。遺言はまさに人生最後の重要な意思表示だ。一回書いてから気が変わることも多い。まずは、簡単な遺言を練習の意味で書いて、仏壇にしまっておくのはどうだろう。「銀行預金は妻にあげる」と書いても意味は通じるし、日付署名捺印等すれば様式も整う。最後の重要な作業には練習も必要だ。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.02.20
奈良 正哉
認知症でも証券投資
認知症になっても、親族が代理人になって証券投資(新規購入)が続けられるようにするそうだ(2月20日…
-
2025.02.18
奈良 正哉
遺産国庫帰属10年で3倍
相続する人がいなくて、結局国庫に帰属した遺産は10年間で3倍、1,000億円超になったそうだ(2月…
-
2025.01.30
奈良 正哉
身元保証
独居高齢者が増加するにつれ「身元保証」が問題になっている(1月8日日経)。身元保証人は病院や施設に…
-
2025.01.17
奈良 正哉
後見人行政申立て
認知症高齢者を保護する制度として後見人制度がある。後見人の申立てをするのは、制度上第一に親族が位置…
奈良 正哉のコラム
-
2025.05.02
奈良 正哉
DEIは死なず
トランプ支配後もDEIは死なずという趣旨のコラムが、日経に掲載されている(アセットマネジメントo…
-
2025.05.01
奈良 正哉
トランプ関税折込済?
ゴールデンウイーク中に、外人に相場を「持っていかれる」ことが少なくなかった。今年はどうだろう。前半…
-
2025.04.30
奈良 正哉
空き家の本当の数
このコラムでもたびたび取り上げてきた「空き家問題」。国の発表してきた空き家の数は大幅に過大推計され…
-
2025.04.28
奈良 正哉
ビッグモーター再建半ば
伊藤忠によるビッグモーターの買収から1年経った。再建は業績的は道半ばのようだ(4月23日日経)。マ…