認知症患者の金融資産
2030年には認知症患者の保有する金融資産が215兆円にもなり、その凍結が喫緊の課題になるとの記事がある(8月26日日経)。認知症になれば経済合理性に基づいた判断ができないのだから凍結されるのはやむを得ない。資産はそのまま死亡時まで塩漬けされるか、同居親族などによって便宜的に引き出されて、後の相続のトラブルの原因となるのが関の山だ。仮に成年後見人が選任されても、成年後見人はなるべく本人の資産を減らさないように行為するから(逆に言えば、家族や地域社会のために「不要な」支出はしないから)、塩漬けは程度問題ということになる。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.07.03
奈良 正哉
アクティビストとの会話
アクティビストとの会話にはもちろん有益な面もある。製造会社であれば経営者の主な関心は作ることと売る…
-
2025.07.01
奈良 正哉
日本郵政トホホな株主総会
株主総会シーズンが終わって日経は複数のレビュー記事を掲載してきた。日本郵政もそのひとつだ。数々の不…
-
2025.06.23
奈良 正哉
日大不祥事体質
笑点で一之輔さんが母校日大の不祥事体質ついてまくらを振っていた。思い出したので最近報道された重量挙…
-
2025.06.12
奈良 正哉
自社株買い最高潮
自社株買いが過去最高になっている(6月12日日経)。IRやSRの場面では、自社株買いをするのが当然…
奈良 正哉のコラム
-
2025.07.03
奈良 正哉
アクティビストとの会話
アクティビストとの会話にはもちろん有益な面もある。製造会社であれば経営者の主な関心は作ることと売る…
-
2025.07.02
奈良 正哉
路線価上昇
路線価(土地価格指標)が上昇している。第2のニセコとして白馬村が活況だそうだ(7月2日日経)。ニセ…
-
2025.07.01
奈良 正哉
日本郵政トホホな株主総会
株主総会シーズンが終わって日経は複数のレビュー記事を掲載してきた。日本郵政もそのひとつだ。数々の不…
-
2025.06.30
奈良 正哉
ウナギに口を出すな
今年シラスウナギが豊漁でウナギの価格低下が見込まれている。喜ばしい。 他方、長期的には問題が発生…