事業承継の「見せない」壁
事業承継をはじめ中小企業経営に詳しいコンサルタントの話を聞く機会があった。彼らによると、中小企業オーナーは、経営全般について銀行など他者に対してはもちろん、従業員にも、はては後継者とされる親族役員に対してさえ、経営実態を「見せない」例が多いそうだ。中手企業庁の「経営者のための事業承継マニュアル」の事業承継ステップの第2に、「経営の見える化」があげられているが、これができなければ、その後に続く経営の磨き上げも、事業承継計画の策定もできないことは論を待たない。事業承継については後継者難が最大のネックとされているが、現経営者の「見せない」姿勢もネックになっているのではないか。後継者候補は経営が「見えない」から、承継の決心もつかない可能性もあるのではないか。
鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉
関連するコラム
-
2025.01.17
奈良 正哉
後見人行政申立て
認知症高齢者を保護する制度として後見人制度がある。後見人の申立てをするのは、制度上第一に親族が位置…
-
2024.12.16
山田 重則
同性の事実婚状態にある者は社会保険関係の法令上、「配偶者」にあたるか。
遺族年金は、一定の要件を満たす「配偶者」に対し、支払いがなされます。そして、「配偶者」については、「…
-
2024.12.10
奈良 正哉
安楽死法案
英国下院で安楽死法案が通った(11月30日日経)。本人が寿命を人為的に短くすることを認める。 日…
-
2024.09.13
奈良 正哉
株主対策は信託銀行
知った顔の写真が日経(9月13日)に載っていたので、また信託のことを書いてみよう。信託銀行は企業の…
奈良 正哉のコラム
-
2025.01.20
奈良 正哉
固定資産税還付訴訟
払い過ぎた固定資産税を返してくれ、という訴訟の弁論が17日最高裁で行われた。対象の固定資産は複雑な…
-
2025.01.17
奈良 正哉
後見人行政申立て
認知症高齢者を保護する制度として後見人制度がある。後見人の申立てをするのは、制度上第一に親族が位置…
-
2025.01.16
奈良 正哉
やっかいな隣国大混乱
やっかいな隣国の政治的混乱はその度合いを増して大混乱になってきた。 わからないのは、一般の警察と…
-
2025.01.15
奈良 正哉
経営コンサルタント倒産最多
経営コンサルタント会社の2024年の倒産件数が、集計以来最高になった(1月10日東京商工リサーチ)…